若い世代は言葉が痩せている

私たち、若い世代は言葉が痩せていると感じます。

私はかつて口頭の業務報告で「いい感じになってきています」と答えるくせがありました。
しかし、他の先輩方の報告を聞いて、なんと薄っぺらな言葉で伝えたのだろうと反省したのです。

例えば、「先日の会議での~さんの発言がみんなのモチベーションをあげたようです。スタッフの表情も明るく、現場の士気も高いです」と報告したら、論理的でわかりやすいのです。

「なんかいい感じ」でまとめていた自分が情けなくなりました。反省してからは、言葉を選んで、具体的に伝わるように努力してきました。

しかし、自分が必死で直してきた癖を、他人がしているのを聞くとなんともいえない気持ちになるものです。

一時、いわゆるギャル男が上司になったことがありました。ボキャブラリーが少ない人で「マジ?」「すげぇ」「ヤバくね?」の3つぐらいでした。

言葉を選んで、現場の報告をあげても反応が「ガチ、すげぇ」だけでは、どうしても力が抜けてしまいます。

言葉だけがフワフワ浮いていて、コミュニケーションを取ってもらった気分にならなかったのです。

案の定、言葉遣いがおかしいと、周りからもクレームが多発 していた上司だったのですが、私は責める気になれませんでした。かつての自分もそうだったからです。

上司は全ての現場を見ることができません。部下は現状を見つめ、理解して、言葉を媒介にして、的確に状況を伝えていかなければなりません。

現場で起こったことをシェアしないといけないのです。そのことを強く実感したのは、ある上司に出会ってからでした。

元ジュエリー販売の仕事に就いていたからか、言葉のボキャブラリーが豊富で、褒め上手な女性でした。
フワフワした言葉で、報告をあげると悲しそうな表情をするのです。怒るでもなく、責めるわけでもなく「あなたには、私の目と耳になってほしいの」とだけ言うのです。

最初は意味がわからなかったのですが、だんだん伝わってきました。私の貧困なボキャブラリーでは、感情を共有できなかったのです。

豊かな感受性を持った女性であった上司は、私の言葉を通して嬉しさや辛さを共有したかったのでしょう。具体的に、伝えることではじめてスタートラインに立てるのだと思います。

きちんと言葉にしないと、「よかったね!」「嬉しかったよね!」と感情や体験を共有できません。潤いある豊かな言葉が、いかに大切かを仕事から学びました。