おバカな女心

危ないっ!!

頭ではそう思っても、身体が動かない。事故の後遺症で足に障害がある私。

自転車に乗ったおばあちゃんとぶつかってしまいました。私は20代女性。相手は「若い人だから避けてくれるだろう」と思っていたのでしょう。

ぶつかられた衝撃で、全身に激しい痛みが走りました。おばあちゃんは、何が起こったのかわからないようで、きょとんとした表情をしていました。

しかし、「ま、いいか」と小声でつぶやいて、走り去っていきました。文章にすると長くなるのですが、実際は一瞬の出来事でした。

おばあちゃんが走り去った後、痛みのあまり、道端でへたり込んでしまった私。大きなスーパーの出入口付近だったため、何人かが心配そうに、こちらを見ていました。

そのうち、ひとりの女性が「お姉ちゃん、大丈夫?救急車呼ぼうか?」と寄ってきてくれました。見知らぬ私に声をかけてくれた優しさにジーンときました。

痛みも激しくなっていきます。好意に甘えて、救急車を呼んでもらおうと思いました。ですが結局、私の口から出た言葉は「ありがとうございます、少し休めば治りますから、大丈夫です」でした。

理由は・・ほんとうにしょうもないこと・・。私はその時、すっぴんだったのです。

すっぴんを多少隠すためのマスクはしていましたが、眉毛も描かず、アイメイクもしていませんでした。激痛の最中、「すっぴんで救急車に乗れない!」と考えてしまったのです。

でも、冷静に考えてみると・・。病人なんだから、すっぴんで救急車に乗っても、別に構わない訳です。

なぜすっぴんで救急車に乗ることを、嫌がったのか、私自身びっくりしています。友人に話すと「ある意味、女子らしいとは言えるけど・・」と苦笑されてしまいました。

自分自身では、サバサバして、男っぽい性格だと思っていました。しかし、土壇場のひょんなことで表れた性格は、おバカ女子そのもの。
怪我より、すっぴんかどうかを大事にするなんて・・。実際、自転車とぶつかった後、1週間も寝たきり生活だったのです。

優しく声をかけてくれた通りすがりの人に甘えて、救急車を呼んでもらえばよかったのです。

やはり、健康はなにものにもかえがたいです。すっぴん気にして、救急車を呼ばなかった。なんてしょうもない女・・。私の人生の中でも最大のおバカエピソードかもしれません。